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#7_唯一無二の喫茶店、東の「北山珈琲店」、西の「ザ・ミュンヒ」その1

<<この記事は約 5 分で読めます>>

コーヒーは深煎り、かつ色々な味が重層的に重なる豆が個人的に好きなので、「オールドビーンズ」「エイジドコーヒー」と見ると嬉しくて仕様がありません。

自分にとっての関東随一のお店は、東京上野の「北山珈琲店」さんです。

以前は店内で「特別な時間」を味わいましたが、ご事情があり、ここ1年以上「豆売りのみ」となっています。

ザ・ミュンヒさんの記事はその内、書きます。

こんな人におすすめ

・東京で美味しい珈琲豆を買いたい人
・北山珈琲店での特別な時間を共に思い出してくれる人

料金

下記は、珈琲豆の料金です(2023年10月時点)。他にも種類があります。

・アラビアン  200g 1、800円
・スペシャルブレンド貴Ki 100g 1、800円(秘蔵13年のモカマタリベース)

北山珈琲さんの「おことわり」

おしゃべり

携帯電話

読書・事ム処理

待ち合せ

30分以上の長居

珈琲を飲むこと以外はおことわり致します。店主

お店の扉に貼られた紙に書かれています。

これは「ルール」ではありません。

店主の北山斗見之さんからのメッセージです。

「お客様は、珈琲と対峙してください。私は、身を削って珈琲を作ります。」

怖がることも、過剰に反応することも不要です。

ただ「こういうお店なんです」と静かに、穏やかに語りかけているだけです。

さあ、中へ入りましょう。

「北山珈琲店」の時間を再現する

カランコロン

「表の貼り紙はご存知ですか?」という、接客担当の息子さんの優しい声。

(何度かうかがう内には、顔を覚えていただいて「テーブル、どうぞ」とだけになりました。)

店内は小さなテーブル席が2つとカウンター、それらを囲む麻の珈琲袋、それと控えめなジャズ。

珈琲焙煎の煙に燻されたのか、全てが同じブラウン色。

「こちらの冊子がメニューになります」

そして間もなく運ばれてくる、小さなグラスと透明ですっきりした味の天然水。

注文を取る息子さんの「アラビアン、ホットです」に応える、カウンター向こうの店主の「はい」という声。

ここから、珈琲が運ばれてくるまでの時間こそ、

目を瞑り、深呼吸して珈琲の香りを体に馴染ませ、店内の氣をいただきます。

優れた美術館と同質の波動に体が同調していきます。

そんな時間もやがて終りを迎えます。

「お待たせしました、アラビアンのホットです。」

カップの中には、店内の光をすべて吸収する漆黒の珈琲。

石膏と同じ白のクリームを入れた小瓶が、黒いお皿の上にかち割り氷と共に添えられています。

一吸いすると、濃厚でぼってりとした質量の液体が喉を焼きながら通っていきます。

二吸いめからは、不思議なことに、喉のひりつきも幾分和らぎます。そしてオールドビーンズ特有の、味のミルフィーユが一枚、また一枚とめくれていきます。

三分の一ほど飲んだら、砂糖を入れてスプーンで一回し。甘みがオールドビーンズの中にある別の味を引き出します。

さらに三分の一を飲んだらクリームを入れて、温かい「雫」を飲み干します。

「北山珈琲店」も「北山珈琲店の珈琲」も全て味わいました。

店主も息子さんもとても丁寧に、深々とお辞儀をして見送ってくれます。

こちらも深々とお辞儀をします。

「道」と名のつくもの全てに共通の所作です。

余談ですが・・・

店内で最後に珈琲をいただいたのは、2021年4月でした。

ビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビイがかかっていました。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

4歳男児のアラフィフぱぱ。スピリチュアル大好き・旅大好き・うちの子大好きなぱぱによる日々の発見ブログ。

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